フェロセンのオクタン価向上値の考察

テトラエチル鉛、いわゆる昔使用されていた、あるいは航空用燃料に使用される有鉛ガソリンの添加物でオクタン価向上とバルブの潤滑に効果があります。

テトラエチル鉛はガソリンに0.1%添加するとオクタン価が10上昇すると言われています。

自動車文化を大事にしているイギリスでは有鉛ガソリン仕様のエンジンも残っており、テトラエチル鉛の代替にフェロセンを利用する事もあるようです。

私どもでフェロセンのテストをした所あまり高濃度(0.1%以上)だと、プラグへの堆積や燃費悪化が確認されました、テトラエチル鉛は航空用燃料で0.3%程度までの濃度で使用されているようです。

フェロセンがテトラエチル鉛の代替に使用される事を考えると、オクタン価の向上性と潤滑性とも、もしかするとフェロセンの方が高い可能性があります。

エンジンの保護の為に燃費悪化を無視して高濃度のフェロセンを添加している可能性もありますが

燃焼速度上昇効果がアンチノック性能の根源であるのを考えると、燃費悪化するほど添加してもオクタン価上昇は頭打ちの状態にあると思われます。

もしくは、単純に自己発火温度自体が上昇するのかもしれませんが、後述のオクタン価上昇表を鑑みるにその可能性は少ないかもしれません。

ノッキングとは

考察と名打ちましたが、フェロセン添加オクタン価上昇表を見つけました、資料ではフェロセン0.01%(100ppm)添加で約5オクタン価上昇との事でした。

100ppmまでは20ppmで約1オクタン価、40ppmで約2オクタン価…と添加量に応じリニアにオクタン価が上昇しており、それ以降記述がありませんでした、ですのでこれ以上は効果が落ちるのかもしれません

他の論文や特許を見ますと10~1000ppmを添加すると良いと記してあるので、その範囲ならばリニアではないしろオクタン価向上を見込めそうです、1000ppm以上は燃費悪化と言う実験の結果とも合致していますし。

ガソリン50リットルにつきフェロセン3.75グラムで約100ppmになります。

1000ppmまでは効果が見込めるようですがフェロセンの鉄由来のデポジットの問題もありますし、特にガソリン車はなるべく少なめで使用するのが良いと思います。


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