PTFE四フッ化エチレンの勧め
潤滑剤の中では非常に摩擦係数が低く、その面では非常に優秀な滑剤ですが、そこそこ高い耐熱性がありますが、300℃~350℃位で分解し毒性腐食性が強いフッ素系のガスが発生します。
軽荷重では優秀ですが、極圧性、耐荷重が低く効果は限定的です、しかし場所を選べば非常に良い働きをしてくれます。
私はエンジン、ミッション、デフよりは比較的に低温度で軽荷重なパワーステアリングフルードにPTFE粉末を添加しています、酷い車両ですとパワステポンプがシャーシャー鳴きますが、据え切りで限界までハンドルを切ってもほぼ無音です。
他にPTFEを増粘剤に使用したグリースを、ミッションのメンドラやレリーズ周りに塗っていますが非常にクラッチ操作が軽くなります。
ブレーキキャリパーは場合によっては非常に高温になるのでオススメできませんが、キャリパーピストンにも使用しています。
ヒンジ部やレール、シリンダーダンパーなどなど荷重低い部分には良い成分です、上記のグリースをドライブシャフトブーツの保護に外側に塗ったり、充填グリスにも良いかもしれません、粉末をブレーキ、クラッチのフルードに入れマスターシリンダーを潤滑するのにも良いかも知れませんね。
そんな便利なPTFEですが、製造時の副産不純物PFOAの輸入製造が2021年10月に禁止されました。
PFOA自体にも潤滑効果があるので、潤滑用途で使用されるPTFEでは今まではある程度許容されてきた訳ですが、これからは製法など変更しPFOAを基準値以下に管理しなければなりませんので、価格があがったり、また潤滑特性も変わってしまうかも知れません。
Share this post
- Tags: 固体潤滑剤