固体潤滑剤の潤滑油への添加

固体潤滑剤の潤滑油への添加の賛否

固体潤滑剤とは、黒鉛、カーボンナノチューブ、フッ素樹脂(PTFE)など液体でなく多くは主に粉体で使われ、グリースの増ちょう剤や添加剤によく使われます、粉体を圧縮成形または塊から削り出して軸受などに使われたりもします。

潤滑油に粉体を入れる添加剤も存在します、以前に重機のリース屋だったか、土建屋だったか重機を沢山扱っている会社が窒化ホウ素の粉末固体潤滑剤を使っていると聞き、重機に入れ続けているのだから効果があるのだろうな、とその会社の方と会話をしたことを覚えています。

しかしエンジンオイルにPTFE粉末を入れるのは賛否の分かれる所です、条件により潤滑性が喪失しやすいとか、300度後半で昇華しはじめ腐食性の強いフッ素ガスが発生しますし燃焼室内や摺動面ではその温度に安々と行くはずです。

あとPTFEに限らず言われるのが潤滑するはずの粒子自体が逆に研磨剤になるという事、アルマイト処理したアルミ材に二硫化モリブデングリス使った所、摩耗筋ができました二硫化モリブデンのモース硬度は1で黒鉛と同じで柔らかいものです。しかしアルミより遥かに柔らかい、クランクメタル等で同様の話は聞いたことがないです。

憶測になりますが原因としては、アルミ部品の形状(摺動箇所)とグリースの粘度などが1つ、エンジンオイルは常に濾過されていてオイルエレメント交換初期で数十μm、ある程度詰まってくれば目がつまり更に小さい粒子を捕縛できるのが1つ、そもそもの二硫化モリブデンの添加量と粒子径グリスでは大量で大きいのではないかという所でしょうか。

エンジンの冷間クリアランスは場所にもよりますが、数十μm~かと思います、温まれば0に近づくでしょうから、固体潤滑剤は使用するならば適切な粒径、もしくは微細さが必要なのかもしれません。

ちなみテンペラメントルブで使用しているカーボンナノチューブは径が10nm前後、長さ数μmなので径は桁違いの細かさで長さもまぁまぁ細かめです。

どんな粒径が好ましいのか、細かいほど良いのか、わかりませんが、評判の良い固体潤滑剤は1μm以下の粒径です。

私どもでもナノオーダー~1μm程度の二硫化モリブデンは取り扱いしたいところであります、あとモース硬度0.5(やわらかい!)でそこそこの耐熱性があり、もしかすると清浄効果も期待できそうな固体潤滑剤を見つけたので、それもそのうち取り扱い出来たらなと思います。


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