油性向上剤とは?2
前回の油性向上剤の話の続きです
金属表面と油が物理的化学的にしっかりとくっ付き膜を作る作用、この作用を向上させるのが油性向上剤と前回やったわけですが。
厳密に言えば油性の高い油脂を入れて潤滑油全体の平均値を底上げするだけで、既存の油に対して働き向上させるという事ではありません。
ですが恐らく私の考えでは界面活性剤みたいに最小量あればよく、過剰に大量投入をしても無意味なはず、表面を覆える程度の量があれば機能すると思っています、と言うかある種の界面活性剤は油性向上剤とも言えますし、良いものを必要な分だけ足すという使い方もできそうです。
(追記:吸着表面飽和量があれば良いとの論文を発見しました。しかし劣化もするので飽和量以上でも意味はあるでしょう)
油とはなんでしょう、一番構造が簡単なものでは直鎖アルカン、炭化水素が一列に鎖のようにつながっているだけの油です、鎖が短ければガス、程々なら油状、長ければワックス、蝋状になりますが。鉱物油のメインの成分はこれらです、鎖数8個ならオクタン、つまりオクタンガソリンになり、潤滑油として使えるのはもう少し長い鎖ですね。
私は油の鎖を毛や糸の様に想像しています、油脂には鎖が複数生えてるもの、枝分かれしているもの、それぞれ長さがあり、一概には言えませんが不安定な、他の物と付きたがる分子構造を持っているのは生えてるのは大元か末端です。つまりシリンダーやピストンから油という毛が生えていて保護しているイメージです。
長いほど高粘度だったり高融点で短いと逆の傾向です。
油性剤がもさもさでがっちり金属面に留まって金属面は保護して、ベースオイルは低粘度で動きを阻害しないと言う様な都合の良い潤滑油が出来たらなと思います。