燃料添加剤その2・オクタン価だけじゃないオクタン価向上剤の効果

高オクタン価を持つ燃料には様々な基材があり、それぞれに特有の性質と利点があります。今回は、その中でも特に代表的なものを取り上げてみましょう。

アルコール系燃料の特徴

アルコール系燃料は、その高い潜熱により、燃焼室内の温度を下げる効果があります。これにより、燃焼過程でエンジンの内部温度が上昇するのを防ぎ、高いオクタン価を実現しています。この冷却効果は、エンジンのパフォーマンス向上にも寄与し、燃焼効率を高めることにもつながります。

芳香族ベンゼン系と環状構造燃料の利点

芳香族ベンゼン系や環状構造を持つシクロ系燃料は、化学的および熱的に非常に安定しています。これらの化合物は、安定した構造により高いオクタン価を提供し、エンジンの燃焼プロセス中に安定した性能を発揮します。

有機金属系オクタン価向上剤の役割

有機金属系のオクタン価向上剤は、単にオクタン価を向上させるだけでなく、燃焼触媒としても機能します。これにより、エンジン内部の燃焼状態が改善されるとともに、動弁系やピストン周りの潤滑効果もあり、エンジン性能の総合的な向上が見込まれます。
実際に排ガステスターで計測した結果、有機金属系オクタン価向上剤は未燃焼の残渣としてのCO(一酸化炭素)やHC(炭化水素)の放出が低減されることが確認されています。
また、エンジンの動作音が静かになる効果もあり、特に直噴エンジンではインジェクターの動作音が著しく低減されます。しかし、燃焼が良くなることにより排気音は大きくなり、音質も鋭く変わります。
純正マフラーを使用している場合は気になるレベルではありません。

オクタン価だけなら楽に120、更には140ポイントの燃料を作れる目途は立っておりますが、それだけでは意味が薄くより良い燃焼状態を得られる燃料の開発をいづれしたいと思っております。

 


この投稿をシェアする



← 投稿順 新着順 →