ZnDTP,ZDDP,ジアルキルジチオりん酸亜鉛

 ZnDTPは古くから使用されている、リン、亜鉛、硫黄の化合物で摩耗防止、酸化防止効果のある潤滑油添加剤です。

エンジンでは給排気バルブを押し下げるカム及びタペットプレートの摩耗防止に必要不可欠でしたが、近年はZnDTPの環境負荷、エンジンの改良、ローラータペットの採用、部品のコーティング技術の向上により、2000年辺りから段々とエンジンの求めるZnDTPの要求量が減り続けています。

直打式タペットのエンジンには現代のエンジンオイルではZnDTPが足りていませんし、ZnDTPの要求が低いエンジンでも例えば2000年に製造した車両でも20年も経過しています、よって

2000年代前半より以前に販売開始された車両、エンジンを高回転まで使用する二輪車、軽自動車などに添加をお勧めします。

摩擦係数は下がりません、むしろ潤滑性能が高いオイルでは摩擦係数が上がります、ですので湿式クラッチ、多板クラッチ式LSD、MTミッションのシンクロメッシュの繋がりが良くなるのでそれらの箇所への添加はお勧めです。

摩擦係数が上がると言っても、これが入ってるから全体の摩擦係数が上がるわけではなく、境界潤滑状態などの摺動面同士が接触して摩擦や熱によってZnDTPが反応し保護膜を形成した箇所だけの話です。

殆どのブレークインオイル、慣らし運転用のエンジンオイルには高濃度のZnDTPが入っていることを謳っています。

良好な当たり付を行うと機械寿命が伸びたり、高い性能を発揮できますので、新車、産業機械、モーター、自転車、模型エンジン、ラジコン、釣具、等々あらゆる油潤滑の軸受、摺動面での慣らし、ブレークインに利用するのもおすすめできます。

リンが入っておりますので三元触媒を劣化させる可能性があります、オイルが燃焼室に混入するようなオイル下がり上がりが発生しているエンジン、オイル消費が多いエンジンの場合は触媒が劣化しますので添加はオススメできません。

ZnDTPに限った話ではありませんが高用量添加の場合オイルが汚れやすくなるので、こまめにオイルの状態を確認してください。

清浄分散剤成分の種類にもよりますが、その他の添加剤の働きを阻害する場合があります、保護性能と清浄性はある程度はトレードオフの関係にあります。


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