添加剤ガイド
固体系潤滑添加剤
固体潤滑剤の利点は即効性と効果の安定性です。
有機金属添加剤などは熱や摩擦で化学反応を起こして初めて効果を発揮しますが
オイル中に分散している固体成分は、そのまま状態で効果を発揮します。
高温でも無機物質なので耐熱性が高いものが多く、低温からどんな温度領域でも効果を発揮します。
デメリットとしてはオイルの分散性が良くないと沈殿してしまったり凝集して固まってしまう場合もあります。
WS2はオイル分散性が良くそのままオイルと混ぜてもキレイに混ざります。
また化学的にも安定した物質で酸や熱にも強く効果が落ちません
IF-WS2は多層球状分子構造、オニオンライク状のWS2をオイルに分散させた製品になります。
非常に粒が小さいのでより分散性も良く、球状なのでフリクションロスを減らしたりクッションの様に働き極圧性が高くなります。
油状添加剤・MoDTC、ZnDTP、OWーFM
金属と油の分子を結合させた油状成分で熱や摩擦が加わるとその部分に固体の保護膜を作ります、また他の保護膜の定着を助け合う働きもありますので、MoDTC、ZnDTPまたはWS2など定着性のある添加剤との併用もおすすめです。副次的効果で酸化防止作用もあり、余ったオイルなどに少し添加しておくのもおすすめです。
ベースオイル系添加剤・アルキルナフタレン・PAO
分類的にはベースオイルですが、様々な効果があるので添加剤的に利用もできます。AN、PAO共に粘度指数(温度による粘度変化、数値が高いほうが変化が小)が高いので粘度調整剤としてご利用できます。
アルキルナフタレンの効果は万能薬といった感じで、オイルを酸化や分解から守り、これ自体の潤滑性も良く、強く厚い油膜を形成します、また添加剤を溶かし込む力が強く、他の添加剤の働きを助けてくれます、またこれだけの性能を有しているのに特にデメリットがないのが最大の特徴ではないでしょうか
エステル系オイルとも相性が良くデメリットを和らげたり、水分に弱いエステルオイルの分解を抑えます。
PAOはとにかく丈夫で粘度が下がりづらく、同粘度の他のオイルよりトラクション性、油の引きが弱いのでギヤなどの回転体とオイルの間に発生する回転撹拌ロスを低減してくれます。また分子が強固なのでせん断破壊を受けづらく特にギヤ、トランスミッション、デフなどにおすすめです。
DIパッケージ(4サイクルエンジンオイル用)
直訳すると分散・阻害(劣化、酸化)パッケージで、名が示す通り、分散清浄劣化防止をまとめたパッケージ添加剤ですが、これらは規格に沿って作られるので、その規格に適合出来るような構成になっており、近年の規格では環境配慮、省燃費性、耐摩耗などが規格規定にありますので、追加で入れることでエンジンオイル性能をバランス良く底上げできます。