SAE粘度規格

米国自動車協会(Society of Automotive Engineers, Inc.)が制定したオイルの粘度分類で、エンジンオイルとギヤオイル様々な規格があります。

エンジンオイル粘度規格

低温側は数字Wと付きWinterの略で冬季エンジン冷間時の温度に対しての指標です、粘度の規定もありますが、温度だけで事足りるでしょう。(後で追記しておきます。

0Wのオイルの場合-40℃までオイルの流動性が確保でき、エンジンを始動できると言った指標です、数字が低いほうがエンジンが温まりきっていない冷間時でもオイルが柔らかいのでエンジンのかかりが良くなったり省燃費になります。

高温側のは表記は数字だけになります、昨今のエンジンオイルは特殊なものを除き、ほぼマルチグレードで低温時には柔らかく、高温時には粘度が低下しないように作ってあり。例えば【10W30】と言う表記になります。

また、高温側だけの数字表記のシングルグレードオイルも現在でもクラシックカーやバイク用に製造販売しているメーカーもあります。

SAE Grade Low Temp Cranking Viscosity (cP) Low Temp Pumping Viscosity (cP) High Temp Viscosity (cSt)
0W 6200 max at -35°C 60000 max at -40°C <3.8
5W 6600 max at -30°C 60000 max at -35°C <3.8
10W 7000 max at -25°C 60000 max at -30°C <4.1
15W 7000 max at -20°C 60000 max at -25°C <4.1
20W 9500 max at -15°C 60000 max at -20°C <4.1
25W 13000 max at -10°C 60000 max at -15°C <9.3
16 --- --- 2.3-2.6
20 --- --- 5.6-9.3
30 --- --- 9.3-12.5
40 --- --- 12.5-16.3
50 --- --- 16.3-21.9
60 --- --- 21.9-26.1

通常運転時は基本的に高温なのでお高温側がメインで選びます、ですので高温側は基本的に車両メーカー指定オイルの粘度グレードより下げてはいけません、粘度が足りない場合は摩耗が著しく増大します。

低温側は使用地域に合わせて、選んでください、夏場ですと日本全国20Wで大丈夫でしょう、冬場でも山間部除く関東より西なら通年20W大丈夫でしょう。冬の寒冷地では0Wを使用しましょう。

寒冷地でなくとも通年0Wで問題ないですが、必ずどこかの性能が犠牲になっています、オイルの寿命、潤滑性能、コストなど、なので夏冬の2種類くらいは使いわけたいものです。

少々話が飛躍しますが、第二次世界大戦時では、当然マルチグレード油など一般的ではありませんし、何十トンと言う車両の上にソ連戦車はジーゼルで始動性が悪く、相当硬いオイルと使用してた事と思います、そんな時ソ連兵は戦車のエンジンの下で焚き火を焚いてエンジンを暖めたようです。

現代でもロシアや北欧などではエンジンを温める専用のヒーターがあるようです。

閑話休題

過走行などで力が弱くなったエンジンは、ピストンとシリンダーの密閉不良により圧縮抜けなどが一因です、使い古したオイルを同銘柄の新油にするだけでも、時にはびっくりするほどエンジン圧力が上がります、ガソリンを止めプラグホールに計測器圧力計のホースをつなぎ、クランキングをし燃焼櫃内の空気の漏れや圧縮圧力を見るテストです。

総走行距離が長くなり、馬力トルクが落ちてきた気がするエンジンには1~2段階硬いオイルを一回お試しになられると良いと思います。

ギヤオイル粘度規格

SAE Grade Low Temp Viscosity (cP) High Temp Viscosity (cSt)
70W 15000 max 4.1 min
75W 15000 max 4.1 min
80W 15000 max 7.0 min
85W 15000 max 11.0 min
90 --- 13.5-18.5
110 --- 18.5-24.0
140 --- 24.0-32.5
190 --- 32.5-41.0
250 --- 41.0-51.0

 


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